医薬品の個人輸入は税関で止まる?没収されるケースを解説

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医薬品の個人輸入で、多くの人がつまずくのが税関での扱いではないでしょうか。

「届くはずの薬が、なかなか届かない…もしかして税関で止まってる?」

「海外から薬を注文したけど、税関で没収されたりしないかな…?」

個人輸入は手軽に利用できる一方で、税関のルールがわかりにくく、不安に感じる方は少なくありません。

そこで今回は、医薬品の個人輸入が税関で止まる・没収される理由と、対処法を解説します。

医薬品の個人輸入代行一覧

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目次

そもそも医薬品の個人輸入は税関でどう扱われる?

海外の医薬品を個人輸入する場合、荷物は通関時に税関のチェックを受けます。

では、海外から届く薬は実際にどう扱われるのでしょうか。まず税関の役割を見ていきましょう。

税関の役割とは?何をチェックされる?

引用:税関 Japan Customs

税関は、海外から届く荷物が各種法律に違反していないかを確認する国の機関です。

医薬品については、薬機法(医薬品医療機器等法)に基づき、次の点を通関時にチェックします。

税関が通関時に確認する項目
  • 自己使用の範囲内かどうか(販売・営業目的でないか)
  • 規制対象の成分(麻薬・指定薬物など)が含まれていないか
  • 数量が個人輸入の目安を超えていないか
  • 申告内容と中身が一致しているか
  • 偽物(偽造医薬品)を輸入していないか

このように、税関では「自分で使うための適正な範囲の医薬品か」を中心に確認しています。

問題がなければそのまま受け取れますが、範囲を超えていると判断されると、止められたり追加の手続きを求められたりすることがあります。

医薬品の個人輸入は「届き方」で税関手続きが変わる

医薬品を海外から個人輸入する場合、税関での手続きは「商品がどの輸送方法で届くか」によって異なります。

個人輸入で使われる3つの輸送方法
  • 国際宅配便を利用して輸入する場合
  • 一般貨物として輸入する場合
  • 国際郵便を利用して輸入する場合

それぞれの輸送方法で、手続きの主体や個人がやることがどう違うのかを表にまとめました。

輸送方法通関手続きの特徴個人がやること
国際宅配便通関業者が手続きを代行基本的におまかせでOK
(税金・手数料の支払い確認は必要)
一般貨物自分または通関業者が輸入申告仕入書(インボイス)・運賃明細書などを準備して申告
国際郵便課税価格20万円以下は賦課課税方式、20万円超は申告納税方式課税通知書やお知らせハガキに従って手続き・納税する

このように、税関での手続きは届き方によって変わりますが、多くの人が使う国際郵便・国際宅配便なら、案内に沿って進めれば薬は無事に受け取れます。

むしろ気をつけたいのは、手続きそのものより「中身」によって税関で止まってしまうケースです。

実際にどんなケースで止まるのか、順に見ていきましょう。

参考:個人輸入通関手続 _ 税関 Japan Customs

個人輸入した医薬品が税関で止まる主な理由

医薬品が税関で止まるのには、どのような理由が考えられるのでしょうか。

個人輸入した医薬品が税関で止まる主な理由
  • 自己使用の数量範囲を超えて輸入した場合
  • 処方箋薬・要指示薬を輸入確認証(旧・薬監証明)なしで輸入した場合
  • 成分が規制対象(麻薬・向精神薬・指定薬物など)に該当する場合
  • 家族や他人の分をまとめて輸入した場合
  • 健康食品・サプリのつもりでも、日本では医薬品とみなされる成分が含まれている場合

自分の荷物が当てはまっていないか、次の代表的なケースで確認してみてください。

自己使用の数量範囲を超えて輸入した場合

税関で止まる理由としてもっとも多いのが、個人輸入で認められている数量を超えてしまうケースです。

個人輸入は「自分で使う分だけ」が前提のため、量が多すぎると「販売目的では?」と判断され、確認の対象になりやすくなります。

医薬品(医薬部外品も含む)の数量は、薬の種類によって次のように決められています。

個人輸入できる数量の上限

区分対象の例個人輸入できる数量の上限
外用剤(医薬品・医薬部外品)軟膏などの外皮用薬、点眼薬など(毒薬・劇薬・処方箋薬・坐剤などは除く)標準サイズで1品目につき24個以内
毒薬・劇薬・処方箋薬医師の処方が必要な医薬品用法・用量からみて1ヶ月分以内
上記以外の医薬品・医薬部外品内服薬など用法・用量からみて2ヶ月分以内
化粧品口紅など(色・ブランドを問わず)標準サイズで1品目につき24個以内
家庭用医療機器家庭用マッサージ器、低周波治療器など最小単位(1セット)
使い捨てコンタクトレンズ2ヶ月分以内
体外診断薬排卵検査薬など2ヶ月分以内
再生医療等製品用法・用量からみて1ヶ月分以内

なお、目安の数量を超える場合は、地方厚生局での「薬監証明(輸入確認証)」という手続きが必要です。

個人ではあまり使わない手続きで手間もかかるため、基本は「自分が使う分(1〜2か月)まで」に収めておくのが安心です。

参考:医薬品等の個人輸入について |厚生労働省

処方箋薬・要指示薬を輸入確認証(旧・薬監証明)なしで輸入した場合

一定の条件にあてはまる場合は、地方厚生局に「輸入確認証」を申請して取得し、税関での輸入申告時に提示する必要があります。

輸入確認証が必要になる主なケースは、次のとおりです。

  • 個人輸入で認められる数量の目安を超えて輸入するとき
  • 処方せん薬・要指示薬を輸入するとき
  • 数量にかかわらず厚生労働省の確認が必要なとき
  • 医薬品などを自宅以外(郵便局留めなど)に送って受け取るとき

意外と見落とされやすいのが「送り先」です。個人輸入した医薬品は、原則として注文した本人の自宅に届くことが前提になっています。

送付先を勤務先にしたり、郵便局留めにしたりすると、「自分で使うのではなく販売目的では?」と税関に判断され、そのままでは通関できません。

自宅以外で受け取りたいときは、輸入確認証を取得し、税関に提示する必要があります。注文時の送付先は、できるだけ自宅にしておくのが安心です。

参考:<医薬品等の輸入について>

成分が規制対象(麻薬・向精神薬・指定薬物など)に該当する場合

医薬品の中には、輸入確認証の有無や数量に関係なく、そもそも一般の個人による輸入が禁止・制限されているものがあります。

下記に該当する荷物は、税関で止められるだけでなく、法律違反として処罰の対象になることもあります。

輸入が禁止・制限されている薬物
  • 麻薬・向精神薬・医薬品覚醒剤原料
  • 覚醒剤
  • 大麻(大麻草、大麻樹脂など)
  • 指定薬物(危険ドラッグ)

このほか、海外で「脳機能の向上」などをうたって販売されている医薬品の中には、乱用や健康被害のおそれが高い成分を含むものがあります。

こうした医薬品は、数量に関係なく、医師の処方箋などが確認できない限り個人輸入が認められません。

「海外で売られているから大丈夫」とは限らないので、注文前に成分を確認しておきましょう。

参考:医薬品等の個人輸入について |厚生労働省

家族や他人の分をまとめて輸入した場合

個人輸入は、「輸入する本人が自分で使う」ことが大前提です。

たとえ家族や親しい友人のためであっても、他人の分をまとめて注文することは認められていません。

個人輸入した医薬品を他人へ販売・譲渡することは禁止されており、無償で譲る場合も同じです。

「自分と家族の分をまとめて」と多めに注文すると、自己使用の範囲を超えていると判断され、税関で止められる原因になります。

家族で同じ薬を使いたい場合でも、原則としてそれぞれ本人の名義で、自分が使う分だけを注文するようにしましょう。

健康食品・サプリのつもりでも、日本では医薬品とみなされる成分が含まれている場合

海外でサプリとして売られていても、医薬品成分を含んでいたり、医薬品的な効能・効果をうたっていたりすると、日本では医薬品と判断され通関できない場合があります。

医薬品かどうかの判断の決め手は、次の4つです。

医薬品の目安
  • 成分:医薬品成分が含まれているか
  • 効能・効果:病気の治療・予防や体の機能の増強をうたっているか
  • 形状:錠剤・カプセル・アンプル剤など薬のような形か
  • 用法・用量:「1日3回」など薬のような飲み方の指定があるか

医薬品扱いになると、数量の目安や輸入確認証などのルールが適用され、対応できなければ廃棄・返送になることもあります。

「サプリだから大丈夫」とは限らないので、注文前に成分や表示を確認しておきましょう。

参考:<医薬品等の輸入について>

個人輸入の医薬品が税関で止められるとどうなる?

では、実際に税関で止められると、その後はどうなるのでしょうか。

ここでは、止められたあとの流れを順に見ていきます。

税関からお知らせ(ハガキ)が届く

輸入した医薬品が税関で確認の対象になると、まず本人あてに通知が届きます。

この通知が届いて初めて、自分の荷物が税関で止まっていたと気づく人も多いです。

税関から届く通知には、性質の違う2種類があるので、混同しないようにしましょう。

  • 国際郵便物課税通知書(税金の通知
    関税・消費税がかかる場合に届く。記載の税額を払えば受け取れる(課税価格の合計が1万円以下なら原則免税)。
  • 税関手続のお知らせ/C-5081(薬機法などの確認
    中身が不明なときや、薬機法などで許可・承認が必要なときに届く。手続きをしないと受け取れず、放置すると返送される。

※課税価格:一部対象外あり

国際郵便物課税通知書の納付は簡単で、配達に来た郵便局の人にその場で支払うと、そのまま荷物を受け取れます。

没収(輸入不可)につながるのは「税関手続のお知らせ(C-5081)」です。

ハガキには「連絡事項」欄があり、内容に応じて次の書類を、ハガキを送ってきた税関外郵出張所へ提出します。

  • 品物の内容・価格が不明とある場合:仕入書(インボイス)など、内容や価格がわかる資料
  • 薬機法などの許可・承認が必要とある場合:許可・承認書(医薬品なら輸入確認証)

さらにハガキが届いた翌日から1か月以内に輸入の手続きをしないと、原則として荷物は差出人(海外の発送元)に返送されます。

ハガキが届いたら放置せず、早めに対応しましょう。

参考:6102 「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」の見方、手続(カスタムスアンサー) _ 税関 Japan Customs

参考:6103 「国際郵便物課税通知書」の見方、手続(カスタムスアンサー) _ 税関 Japan Customs

数量を超えたぶんは受け取れないので「一部受け取り」か「返送」を選ぶ

医薬品は、たとえ自分で使うためでも、一度に個人輸入できる数量が決まっています。

数量を超えてしまった場合、対応は次のいずれかになります。

  • 超過分を放棄して、認められる数量だけ受け取る
  • 荷物ごと差出人へ返送する

上の2つのうち「超過分を放棄して、認められる数量だけ受け取る」を選んだ場合、超過分は税関で廃棄されます。手続きは、まず受け取れる数量を税関に確認する必要があるため、薬事監視指導課へ連絡します。

一方、荷物ごと差出人へ返送したい場合は、連絡先が薬事監視指導課ではなく、ハガキを送ってきた税関外郵出張所になります。

「一部だけ受け取る(=超過分は廃棄)」なら薬事監視指導課、「全部返送する」なら税関、と窓口が分かれている点に注意してください。

参考:税関からハガキが届いた場合(個人の方)

税関でトラブルなく医薬品を受け取るための注意点

個人輸入の医薬品でいちばん避けたいのが、税関で止まって受け取れないケースですよね。

ここでは、トラブルを防ぐためのポイントと、届かないときの対処法をまとめました。

税関でトラブルなく医薬品を受け取るには
  • 税関で止まらないための基本は「数量と使用目的を守る」こと
  • 個人輸入代行サービスを使っても最終確認は自分でする
  • 「なかなか届かない」ときは配送業者や日本郵便に確認する

税関で止まらないための基本は「数量と使用目的を守る」こと

個人輸入は「自分で使うこと」が大前提で、数量にも品目ごとの目安があります。

区分対象の例個人輸入できる数量の上限
外用剤(医薬品・医薬部外品)軟膏などの外皮用薬、点眼薬など(毒薬・劇薬・処方箋薬・坐剤などは除く)標準サイズで1品目につき24個以内
毒薬・劇薬・処方箋薬医師の処方が必要な医薬品用法・用量からみて1ヶ月分以内
上記以外の医薬品・医薬部外品内服薬など用法・用量からみて2ヶ月分以内
化粧品口紅など(色・ブランドを問わず)標準サイズで1品目につき24個以内
家庭用医療機器家庭用マッサージ器、低周波治療器など最小単位(1セット)
使い捨てコンタクトレンズ2ヶ月分以内
体外診断薬排卵検査薬など2ヶ月分以内
再生医療等製品用法・用量からみて1ヶ月分以内

上記を超える場合や、確認が必要な医薬品の場合は、地方厚生局に申請して「輸入確認証」を取得し、税関に提出する必要があります(現在はオンライン申請も利用できます)。

個人輸入代行サービスを使っても最終確認は自分でする

個人輸入代行サービスは便利ですが、「使えば絶対に税関を通過できる」というわけではありません。

基本的に代行が引き受けてくれるのは、主に次の部分です。

  • 海外の販売店への注文・決済の代行
  • 海外からの発送手配、送り状(インボイス)など書類の準備
  • 国際宅配便を使う場合は、通関業者を通じた通関手続き
  • 日本語での問い合わせ対応

ただし、代行がやってくれるのは、ここまでです。

数量を超えて注文したり、規制対象の薬を頼んだりすれば、どんなに代行を使っても税関で止まります。

「何を・どれだけ注文するか」「その薬が規制対象でないか」を見きわめるのは、利用者自身。輸入確認証の取得や、税関からハガキが届いたときの対応も、自分で行う必要があります。

とくに、ルールを守らずに注文して止まった場合は、返金・返品の対象外になることもあるので注意しましょう。

「なかなか届かない」ときは配送業者や日本郵便に確認する

注文した薬がなかなか届かないと、「税関で止められているのでは?」と不安になりますよね。

多くは次のどちらかのケースです。

  • まだ日本に到着していない
  • 到着はしているが、薬機法などの確認が必要で、まだ税関への輸入申告前の段階にある

税関の手続きは、「輸入申告」が行われてから始まります。それより前の段階では、税関でも荷物の状況はわかりません。

輸入申告は、配送業者が利用者に代わって行うのが一般的で、税関とのやり取りも配送業者が窓口になります。

つまり、荷物の今の状況をいちばんよく知っているのは、税関ではなく配送業者です。

なかなか届かないときは、まず以下の窓口に確認しましょう。

  • 国際宅配便:利用した宅配便業者に問い合わせる
  • 国際郵便:日本郵便の追跡サービスで配送状況を確認する

税関から「お知らせ(ハガキ)」や「課税通知書」が届いていなければ、まだ通関手続きの前であることがほとんどです。

また、通関にかかる日数に決まった目安はないため、多少時間がかかることもあります。

あわてず、まずは今の配送状況を確かめてみましょう。

参考:「注文した品物が海外から届かない」等、輸入貨物の状況確認について _ 税関 Japan Customs

医薬品を個人輸入する際の税関に関する質問

没収された場合、罰則はありますか?

数量超過や輸入確認証なしといったケースは、基本的に廃棄・返送で済み、ただちに罰則を受けるわけではありません。

ただし、麻薬・覚醒剤・大麻・指定薬物など、そもそも輸入が禁止されている薬物を輸入しようとした場合は、処罰の対象になります。

通関にどのくらい日数がかかりますか?

配送方法や時期、検査の有無によって変わるため、一概には言えません。

問題がなければ通常の国際郵便と同じくらいで届きますが、税関から「お知らせ(ハガキ)」が届いた場合は、書類の提出や確認のぶん、受け取りまで時間がかかります。

税関で荷物が止まったら連絡は来ますか?

国際郵便なら税関から「税関手続のお知らせ」(ハガキ)が届き、国際宅配便なら通関を代行する配送業者から電話・メール・SMSなどで連絡が入ります。

いずれの場合も、勝手に処分される前に必ず確認の連絡があるので、放置せず早めに対応しましょう。

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まとめ|医薬品の個人輸入は税関ルールを理解して賢く利用しよう

医薬品の個人輸入は、税関のルールがわかりにくく不安に感じやすいものですが、ポイントを押さえれば過度に恐れる必要はありません。

  • 自分が使う分だけを、決められた数量(目安1〜2か月分)の範囲で注文する
  • 処方箋薬や規制対象の成分に当たらないか注文前に確認する
  • 送り先は自宅にする(郵便局留め・勤務先は確認の対象になりやすい)
  • お知らせ(ハガキ)が届いたら放置せず、案内に沿って早めに対応する
  • 届かないときは、まず配送業者や日本郵便で配送状況を確認する

決められた数量の範囲で、自分が使う分だけを注文するという基本を守れば、トラブルの大半は避けられます。

万一、税関からお知らせ(ハガキ)が届いたり、なかなか届かなかったりしても、放置せず、まずは配送業者や案内に沿って早めに対応することが大切です。

ルールを正しく理解して、医薬品の個人輸入を賢く利用しましょう。

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