医薬品の個人輸入は違法?条件や注意点を解説

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薬の個人輸入とは、海外で販売されている医薬品を、自分で使うために海外から取り寄せる(または持ち帰る)ことです。最近では、輸入代行業者を利用するケースも増えています。

ただ、いざ利用しようとすると「個人輸入そのものが違法なの?」「どこまでが合法でどこからが違法なのか」「代行サービスは大丈夫なのか」と疑問に感じている人もいるでしょう。

そこで今回は、医薬品の個人輸入は違法なのか、合法となる条件をわかりやすく解説。

自己使用の範囲・数量制限、輸入が禁止されている薬物、個人輸入代行のリスク、健康被害の危険性まで、厚生労働省のルールに沿って紹介します。

医薬品の個人輸入代行一覧

詳細ページ:医薬品の個人輸入代行一覧

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目次

医薬品の個人輸入とは

一般の個人が「自分自身で使うために」海外から医薬品等を入手することを、個人輸入と呼びます。

海外の販売元から自分で取り寄せるほか、輸入代行業者を通す方法もあります。

「厚生労働科学研究の調査(2019年)」によると、医薬品の個人輸入の利用者には次のような傾向がありました。

個人輸入の利用者の傾向
  • 経験者の割合:約1割(10.4%)/約10年前の調査のおよそ2倍
  • 性別:男性が約6割
  • 年齢層:30〜40代が中心
  • 注文方法:日本国内からインターネットなどでの取り寄せが85.5%

利用目的は性機能の増強・育毛・ダイエット・美容といった「生活改善薬」が上位で、理由は「手軽さ」(51.5%)と「安さ」(51.2%)が多数でした。

医薬品は本来、品質・有効性・安全性が確認されたものだけが国内に流通するよう規制されています。

それでも個人輸入が認められているのは、次のような事情に配慮するためです。

個人輸入で配慮されている事情の例
  • 海外で受けた薬物治療を、帰国後も継続する必要がある場合
  • 海外からの旅行者が、常備薬として携行する場合

この調査で実際に、「治療を続けるため」と答えた人はわずか1.9%。多くは、生活改善のために使われている様子がうかがえます。

目的が何であれ個人輸入できるかどうかは、自己使用の範囲や数量・成分などの条件で決まります。

具体的な条件は、次章でくわしく見ていきましょう。

参考:医薬品等の個人輸入に関するQ&A|厚生労働省

参考:医薬品(全般)の個人輸入実態調査

医薬品の個人輸入が「違法」になるケース

ここでは、どんなときに医薬品の個人輸入が違法となってしまうのか、代表的なケースを紹介します。

医薬品の個人輸入が「違法」になるケース
  • 輸入した薬を他人に売る・譲る
  • 輸入できる数量の目安を超えて申請なしで輸入する
  • 法律で禁止・規制されている薬物を輸入する

輸入した薬を他人に売る・譲る

医薬品を個人輸入できるのは、あくまで本人が自分で使う場合に限られます。

次のような行為は自己使用にあたらないため、認められていません。

認められていない行為
  • 輸入した薬をほかの人に売る
  • 輸入した薬を家族や知人を含むほかの人に譲る・あげる
  • はじめからほかの人の分をまとめて輸入する

たとえ少量でも、また善意からであっても、他人に渡すことが前提になっていればNGです。

「自分のために、自分が使う分だけ」が大原則と覚えておきましょう。

輸入できる数量の目安を超えて申請なしで輸入する

医薬品を個人輸入する場合(海外から持ち帰る場合も含む)は、原則として地方厚生局に書類を提出し、「営業目的の輸入ではない」ことの証明を受ける必要があります。

ただし、下記の数量の範囲内であれば、手続きを省いて、税関の確認だけで輸入できます。

個人輸入できる数量の上限

区分対象の例個人輸入できる数量の上限
外用剤(医薬品・医薬部外品)軟膏などの外皮用薬、点眼薬など(毒薬・劇薬・処方箋薬・坐剤などは除く)標準サイズで1品目につき24個以内
毒薬・劇薬・処方箋薬医師の処方が必要な医薬品用法・用量からみて1ヶ月分以内
上記以外の医薬品・医薬部外品内服薬など用法・用量からみて2ヶ月分以内
化粧品口紅など(色・ブランドを問わず)標準サイズで1品目につき24個以内
家庭用医療機器家庭用マッサージ器、低周波治療器など最小単位(1セット)
使い捨てコンタクトレンズ2ヶ月分以内
体外診断薬排卵検査薬など2ヶ月分以内
再生医療等製品用法・用量からみて1ヶ月分以内

数量の目安を超える量を輸入すること自体は、禁止されているわけではありません。(麻薬・覚醒剤・指定薬物など、量に関係なく輸入が規制・禁止されている医薬品は除く)

その場合は、税関に加えて、地方厚生局で輸入確認証の交付を受ける必要があります。

数量が多くなりそうなときは、輸入前に申請が必要かどうかを確認しておきましょう。

参考:医薬品等の輸入手続について|関東信越厚生局

参考:1806 医薬品・化粧品等の個人輸入について(カスタムスアンサー) _ 税関 Japan Customs

法律で禁止・規制されている薬物を輸入する

法律で輸入が規制・禁止されている薬物は、個人輸入できません。

輸入できないもの内容
麻薬・向精神薬・医薬品覚醒剤原料原則として個人輸入不可。
処方薬を本人が携帯して入国する場合などを除き、郵送での取り寄せも不可。
覚醒剤法律により輸入禁止。
大麻法律により輸入禁止。
指定薬物人体への使用目的での輸入禁止。
ワシントン条約対象成分を含む製品絶滅のおそれがある野生動植物由来の成分を含む医薬品・原料。自由な輸入不可。
知的財産権侵害物品偽造品や模倣品など。輸入禁止。

上記に該当する物品を輸入すると、法令違反として処罰の対象となる場合があります。

また次の医薬品は、数量にかかわらず、医師の処方箋などで正当な使用目的が確認できない限り、一般の個人は輸入できません。

処方箋などが確認できないと輸入できない医薬品
  • 自己判断で使用すると重大な健康被害を引き起こすおそれがある医薬品(リスト
  • 脳機能の向上を目的として海外で販売されている一部の医薬品

上記は健康被害のリスクが高いため、通常の個人輸入は認められていません。

参考:医薬品等の個人輸入について |厚生労働省

個人輸入した医薬品健康被害リスクも想定しておく

個人輸入には、法律上のリスクだけでなく、健康被害のリスクも想定しておく必要があります。

想定しておきたい健康被害のリスク
  • 品質・有効性・安全性が保証されているとは限らない
  • 副作用が出ても公的な救済が受けられないことがある

品質・有効性・安全性が保証されているとは限らない

国内で正規に流通する医薬品・化粧品・医療機器などは、医薬品医療機器等法に基づいて品質・有効性・安全性が確認されています。

「海外の薬も日本と同じように安全」と思いがちですが、個人輸入品には国内の正規品のような品質・安全性の保証はなく、厚生労働省も注意を促しています。

品質が確認されていない医薬品には、次のような危険があります。

  • 成分の含有量が日本の製品と異なる場合がある
  • 期待した効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれていたりすることがある
  • 不衛生な環境で作られた製品が含まれることがある
  • 虚偽・誇大な効能や安全性をうたって売られている場合がある
  • 正規メーカー品を装った偽造品が紛れていることがある
  • 効能・用法・副作用などが外国語で書かれていて、内容を正確に理解しにくい

さらに、こうした個人輸入品は情報が乏しく、副作用が出ても医師や薬剤師がすぐに対応するのが難しい場合があります。

リスクを避けるためにも、自己判断で個人輸入に頼る前に、まずは国内の医療機関や薬局で相談しましょう。

副作用が出ても公的な救済が受けられないことがある

国内で正規に流通する医薬品を適正に使って重い副作用が出た場合は、「医薬品副作用被害救済制度」で救済を受けられます。

個人輸入した医薬品による被害は、原則としてこの制度の対象外です。

万一のとき、公的な補償を受けられないおそれがあります。

個人輸入する場合は、こうしたリスクを承知のうえで、利用しましょう。

医薬品の個人輸入代行サービスは違法?利用前に確認すべきこと

医薬品の個人輸入代行サービスは数多くありますが、なかには違法な業者や、偽造品を扱うサイトも紛れています。

利用してから後悔しないために、使う前の注意点を解説します。

個人輸入代行サービス利用前のチェックポイント
  • 個人輸入代行サービス自体は違法ではないが業者の売り方によっては違法になる
  • 偽物を扱う個人輸入代行業者には注意する
  • トラブルが起きても、すべて自己責任になる
  • 関税・消費税などの費用にも注意する

個人輸入代行サービス自体は違法ではないが業者の売り方によっては違法になる

「代行サービスを使うのは違法では」と心配する人もいますが、使うこと自体は違法ではありません。

厚生労働省は代行業者を3つのパターンに分け、違法になるものとならないものを区別しています。

ポイントは、業者が「手続きの代行」にとどまっているか、「販売者」になっているかです。

引用:個人輸入代行業の指導・取締り等について|厚生労働省

【適法になる形】
・利用者の依頼で、業者は注文・支払いの手続きを代行するだけ。商品は海外の販売元から本人に直送される

【違法になる形】
・業者が薬を仕入れて在庫を持ち、客に売る(無許可の輸入販売)
・業者が未承認の薬をサイトで宣伝し、客を集める(無承認薬の広告)

「代行業者である」と名乗ること自体は規制されませんが、業者が自分で薬を仕入れて在庫を持ち、客に売る形は、無許可の輸入販売にあたり違法です。

未承認の薬をサイトで宣伝して客を集めるのも、広告として違法になります。

偽物を扱う個人輸入代行業者には注意する

金沢大学などの研究(令和5年度・厚労省研究事業)では、個人輸入した医薬品212検体を調べたところ、ED治療薬を中心に相当数が偽物だったとのことです。

調査によると下記のようなサイトほど、偽造品の割合が高いとわかっています。

こんなサイトは危険
  • 問い合わせ先(電話番号・FAX番号) がない
  • 輸入代行業者の名称・住所・代表者名 がない
  • 「個人輸入」や「特定商取引法」「薬機法」など、規制に関する記載 がない
  • 相談先、プライバシーポリシー、SSL(通信の暗号化)がない

世界保健機関(WHO)も、住所や電話番号が載っていないサイトへの注意を呼びかけています。

ただし、「用法用量」や「効能効果」がていねいに書かれたサイトのほうが、むしろ偽造品率が高いという結果も出ています。

説明が充実しているからといって、安全とは限りません。商品説明が丁寧かどうかより、業者の身元や規制に関する情報があるかを確認しましょう。

参考:偽造医薬品を取り扱う個人輸入代行サイトの推定

トラブルが起きても、すべて自己責任になる

個人輸入代行サービスは、業者が手続きを仲介するだけで、最終的な責任は利用者本人が負います。

届いた薬の品質や、使って生じた健康被害について、業者が補償してくれるわけではありません。

実際、海外の販売元や代行業者との間では、次のようなトラブルも報告されています。

  • 商品が届かない/連絡が取れない … 発送の有無も分からないまま音信不通になる
  • 返金されない … 不良品やキャンセルでも返品・返金に応じてもらえない
  • 偽造品・粗悪品が届く … 有効成分が入っていない、量が違うなどの製品が送られてくる
  • 頼んだものと違う薬が届く … 別製品や、成分量の異なるものが届く
  • 副作用・健康被害が出る … 品質や成分が不確かなため、思わぬ被害につながる

海外の業者が相手のため、トラブルになっても返金や補償の交渉が難しいケースは少なくありません。

また、個人輸入した薬による健康被害は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外で、公的な補償も受けられません。

つまり、個人輸入代行サービスを使っても、トラブルの責任を負うのは自分自身です。

少しでも不安があれば、自己判断で利用せず、まずは国内の医療機関や薬局で相談しましょう。

参考:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ |厚生労働省

参考:コラムVol.7 インターネットでの化粧品の購入は慎重に-模倣品などの可能性も- _ 消費者庁

参考:海外の製品を並行輸入品や個人輸入品として購入するときの注意点
-安全性に問題、返品や交換・リコール対応ができない可能性も- (消費者庁)

関税・消費税などの費用にも注意する

個人輸入も「輸入」である以上、金額によっては税金や手数料がかかります。「安いから」と買っても、結局割高になることがあるので注意しましょう。

医薬品の場合、かかる費用は次のとおりです。

購入額の目安かかる税金・費用
約16,666円以下 原則かからない(免税)
約16,666円超・消費税
・通関手数料
・商品によっては関税

個人輸入では「購入額の60%」が課税価格として計算され、課税価格が1万円以下(購入額の目安約16,666円以下)の場合は原則として免税です。

税金は、商品の受け取り時に支払うのが基本です。郵便で届く場合は課税通知書をもとに郵便局で、宅配便の場合は立て替えた配送業者に支払う形が一般的です。

迷ったときの確認先【状況別ガイド】

「自分のケースはどうなのか」と判断に迷うときは、悩みの内容に応じて、下記の窓口に相談するのがおすすめです。

相談先相談できること
医師・薬剤師薬を使ってよい状態か、今受けている治療や持病・妊娠・授乳への影響、他の薬との飲み合わせ、副作用などを相談できる。お薬手帳や服用中の薬の情報があるとスムーズ。
あやしいヤクブツ連絡ネット取り寄せた薬への不安や体調不良、不審な販売サイトの通報のほか、危険ドラッグ・指定薬物の使用や依存に関する相談ができる。
PMDA くすりの相談窓口薬の効果や使い方、飲み合わせなどを、専門の相談員に相談できる。
消費生活センター
(消費者ホットライン188)
「商品が届かない」「返金されない」「偽物が送られてきた」など、海外通販の金銭・取引トラブルを相談できる。
税関通関手続きや輸入時の確認事項、知的財産権を侵害する物品かどうかを問い合わせできる。
公的機関の情報ページ厚生労働省」や「政府広報オンライン」などが発信する公式情報を確認できる。購入前の情報収集に役立つ。

参考:あやしいヤクブツ連絡ネット

医薬品の個人輸入に関するよくある質問(FAQ)

医薬品を海外から個人輸入するのは違法ですか?

個人が自分で使用する目的で、一定の数量の範囲内であれば個人輸入そのものが直ちに違法になるわけではありません。

ただし、輸入した医薬品を他人に販売・譲渡することは法律で禁止されています。家族であっても他人への譲渡にあたる場合があるため注意が必要です。

個人輸入できる数量に制限はありますか?

処方箋医薬品の場合は原則1か月分など、品目ごとに数量の上限が定められています。

上限を超える場合は、地方厚生局で輸入確認証を取得する手続き(旧「薬監証明」)が必要です。

事前に各地方厚生局の窓口で確認することをおすすめします。

個人輸入代行業者を利用しても大丈夫ですか?

個人輸入代行業者を装って、実際には無許可で医薬品を販売している悪質な業者も存在します。

「効果」を誇大に宣伝する広告や、虚偽の情報を掲載しているサイトには十分注意してください。

利用する前に、業者名・住所・連絡先や規制に関する記載があるかを確認しておきましょう。

個人輸入した医薬品で健康被害が起きた場合、救済を受けられますか?

国内で正規に承認・処方された医薬品とは異なり、個人輸入した医薬品は「医薬品副作用被害救済制度」の対象外です。

万一の健康被害があっても公的な救済を受けられないため、自己責任となる点を理解しておく必要があります。

トラブルが起きたときはどこに相談すればよいですか?

医薬品の個人輸入や代行業者とのトラブルについては、「厚生労働省」や「各地方厚生局の相談窓口」が対応しています。契約や金銭トラブルなど法的な問題については、弁護士や「消費生活センター」への相談も検討してください。

医薬品の個人輸入代行一覧

詳細ページ:医薬品の個人輸入代行一覧

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まとめ

今回は、医薬品の個人輸入が違法になるケースや、合法に利用するための条件・注意点を解説しました。

合法と違法の境目
  • 自分で使う目的で、数量や成分などのルールを守る範囲なら、個人輸入は違法ではない
  • 輸入した薬を他人に売る・譲るのはNG(家族へ渡すのも該当する)
  • 数量の上限を超えて、申請なしに輸入するのはNG
  • 麻薬・覚醒剤・指定薬物などの規制対象は、量に関係なく輸入できない

違法かどうかだけでなく、健康やお金の面でもリスクがあります。

個人輸入品には国内の正規品のような品質・安全性の保証がなく、万一の健康被害も「医薬品副作用被害救済制度」の対象になりません。

また、購入額によっては関税や消費税などの費用がかかり、安く見えても割高になることがあります。

代行サービスも、使うこと自体は合法ですが、トラブルが起きても最終的な責任は利用者本人が負います。

利用するなら、名称・住所・連絡先や規制に関する記載を確認し、身元のはっきりした業者を選んで上手に活用しましょう。

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